産業意思決定進化基盤 DAVIE|設備予兆保全ソリューション
その設備が止まる前に、根拠を持って手を打てるか。
設備予兆保全ソリューションは、設備の状態データから故障の予兆を検知します。なぜそう判断したのかを根拠とともに示し、下した意思決定と対応の結果を記録に残して、保全の意思決定を会社の資産に変えます。
止まってから動く保全は、経営の損失になっている。
連続稼働のプラント設備では、計画外の停止が安全リスクと機会損失に直結します。それでも多くの現場で、保全は「壊れてから」か「決められた周期で」動いています。どちらにも、いま手を打つべきかという意思決定の根拠がありません。これらは、いずれも意思決定が個人に貯まって、会社に貯まっていない状態です。熟練者が退けば、その分だけ意思決定の力が減ります。意思決定が資産ではなく、負債になっています。問題は「予知できないこと」ではありません。手を打つかどうかの意思決定の根拠が無いことです。
計画外停止のたびに、計画が崩れます
生産計画と納期に影響が出ますが、損失は事後にしか分かりません。
点検の周期が経験で決まっています
なぜその周期なのかを、社内でも社外でも説明できません。
過剰保全と後手保全の板挟みになります
早すぎれば部品と工数の無駄、遅すぎれば止まります。
意思決定が人に貼り付いています
「この温度上昇は正常範囲か」「計器の誤差か本当の異常か」「今日対応か様子見か」。すべて経験で決まり、交代とともに揺れます。
予防保全を、捨てなくていい。
「予兆保全を入れる」と聞くと、いまの点検計画を作り直すことだと受け取られがちです。設備予兆保全ソリューションの考え方は違います。
予防保全と予兆保全は、競合する二つの製品ではありません。同じ「保全をどうするか」という意思決定を支える、得意なことの違う二つのやり方です。
| 予防保全 | 予兆保全 | |
|---|---|---|
| 得意なこと | 説明しやすく、計画が立てやすい。データが少なくても始められる | 実際の状態に合わせて、手を打つ時期を選べる |
| 課題 | まだ使える部品を交換することがある。点検と点検の間に起きる突発故障に弱い | センサーとデータの品質、モデルの維持、誤報の管理が要る |
DAVIE 設備予兆保全ソリューションは、いまの保全を続けたまま、しっかりと確認できた範囲から順に、意思決定の根拠を足していきます。
置き換えないのは、点検計画だけではありません。本ソリューションは、いまお使いの保全のしくみの上に、意思決定の層を重ねます。これまでの保全のやり方や投資を、置き換えるものではありません。
設備予兆保全ソリューションとは①設備の予兆を、根拠とともに捉える。
本ソリューションは、3つのはたらきで設備の状態を捉えます。
1
集める
設備に取り付けた様々なセンサーから、データを継続的に収集します。
2
気づく
収集したデータを基準と比較して、状態を正常・予兆・異常の3段階で判定します。計器の一瞬の乱れと、続いている本当の異常も切り分けます。
3
示す
予兆を捉えたら、推奨カードとして必要な情報を一画面にまとめて示します。
- 対象の設備と、起きている事象
- 推奨する行動 ── 点検、部品交換、運転の継続など、次にとる対応
- 実施の期限 ── いつまでに手を打つべきか(今すぐ確認/本日中/経過観察)
- 判定の根拠 ── そのときのセンサー波形と、正常時の範囲の比較
- 対応した内容の記録
本ソリューションでできること
予兆を、根拠とともに捉える
設備の状態データの変化から予兆を検知し、そのときのセンサー波形と正常時の範囲の比較で、そう判定した根拠を示します。
運転に合わせて判定する
時間帯や日々の運転傾向に応じた動的な基準で判定し、運転の変動そのものを異常として拾わないようにします。
対応の優先度を示す
予兆に「今すぐ確認/本日中/経過観察」の優先度を付けます。
異常の種類を見分ける
「機器の異常/運転のブレ/要観察」を自動で分類し、判定に効いたセンサーを示します。
手順に、すぐつなぐ
関連する機器マニュアル・保全手順書を、推奨カードから参照できます。
対応と結果を記録する
対応した内容、交換した部品、実際に故障したかどうかまで記録が残ります。承認・変更・却下とその理由も証跡として残ります。
振り返り、学ぶ
予兆の判定が実際どうだったか、推奨がどれだけ使われたかを、設備別・拠点別に見られます。
経営の視点で見る
拠点をまたいだ実績の比較と、運用レポートを提供します。
設備ごとに設定する
センサーの種類・数・収集の間隔を、画面から設定できます。
現場のネットワークに合わせる
エッジ側での検知や、通信が切れても収集・判定を続けるオフライン運用は、現場の構成に合わせて別途ご相談ください。
AIエージェントと連携する
蓄積した設備・時系列・アラートのデータをAIエージェントから参照できます。自然言語での問い合わせ、状況の要約、対応の検討に使えます。
本製品が担う基本機能は、意思決定と、その記録までです。作業指示や部品手配など実行への連携のご希望は、別途ご相談ください。
できないこと
- すべての故障を事前に検知できるわけではありません。
- 安全計装・非常停止・保護リレーなどの保護のしくみを置き換えるものではありません。これらは独立して維持します。
- 本ソリューションは、AIが出した結論をそのまま実行しません。システムは選択肢・根拠・不確実性・追加で調べるべきことを示し、実施するかどうかは資格と権限を持つ人が決めます。
設備予兆保全ソリューションとは②検知して終わらせない。決めるところまで示し、結果まで記録する。
多くの予兆保全は「予測」までを提供します。本ソリューションは、その先の意思決定と、結果の記録までを担います。予兆保全がうまくいかない理由の多くは、精度ではなく「検知したあと」にあります。アラートが鳴っても、誰が・何をするかが決まっていなければ、やがて誰も見なくなります。
異常検知 → 根拠の提示 → 人が意思決定し承認 → 実施 → 結果の記録。結果は次に活きます。
1. 決めるところまで示します
判定の根拠を提示します。承認・変更・却下とその理由は、証跡として記録し、あとから監査できる形で残ります。決めるのは、人です。
2. 対応と結果を記録します
対応した内容、交換した部品、実際に故障したかどうかまで記録が残ります。意思決定そのものが記録に残るため、あとから見返せます。
3. 並走させて、確かめてから動かします
新しい判定は、いきなり本番にしません。現行の保全と並走させ、手を打つべきときに知らせが出るか・誤報が多すぎないかを確かめてから適用します。うまくいかなければ元に戻します。
4. 小さく始められます
一つの設備群、一つから三つの故障モードで、検知から結果確認までを閉じるところから始めます。広い可視化を先にやりません。仕組みをお渡しして終わりにはしません。現場に入り、御社の意思決定を一緒に形にします。
設備予兆保全ソリューションとは③何が良くなるか
設備を止めない
計画外停止の時間と、重大故障の件数を減らします。
保全のしかたを変える
緊急対応の割合を下げ、計画作業の割合を上げます。過剰な交換と、間に合わなかった交換の両方を減らします。
意思決定の質を上げる
推奨がどれだけ採用され、期限内に実施されたかを測ります。採用されなかった理由も記録し、次の改善に使います。
説明できるようにする
何が起き、何を根拠に、何を選び、どう対応したか。一連の記録として残ります。
立場ごとに、何が変わるか
| 立場 | いま経験と勘で決めていること | 本ソリューションが示すもの |
|---|---|---|
| 本社の統括責任者・経営層 | 次にどの拠点へ広げるか。その意思決定は正しかったか | 拠点をまたいだ実績の比較と、過去の意思決定を振り返る記録 |
| 工場長・生産管理の責任者 | どの設備に保全の予算を優先して配分するか。予兆が出たとき、止めるか続けるか | 設備ごとの状態と、予兆の判定が当たってきたかの実績 |
| 現場の運転・保全担当 | 今すぐ確認すべきか、様子見か。どう対応すべきか | 対応の優先度と、推奨する行動、その根拠 |
※ 数値目標は、対象設備と現在の停止実績を確認したうえで個別にご提示します。
適用領域対象かどうかは、業界名では決まりません。
「うちの業界で使えるのか」というご質問をいただきます。分かれ目は業界ではなく、設備の側に次の4つがそろっているかです。
設備を1つずつ特定できる
どの設備の話なのかを、台帳や管理番号で指し示せること。
故障や劣化を定義できる
「どうなったら故障か」「何が劣化か」を、現場の言葉で決められること。
打てる手がある
点検、部品交換、停止、負荷を下げるなど、予兆をつかんだあとに実際にとれる対応があること。
結果を確かめられる
手を打ったあと、実際にどうなったかを記録として回収できること。
この4つがそろえば、業種を問わず対象になります。代表的な領域は次のとおりです。
| 産業領域 | 代表的な設備 | そこで下す意思決定 | その領域ならではの事情 |
|---|---|---|---|
| 製造・組立 | 加工機、プレス、溶接、塗装、組立、搬送、検査設備 | 点検、部品交換、止める時間帯の決定、負荷の制限 | 生産計画、品質への波及、段取り替え、ラインの制約 |
| プロセス産業 | 回転機、ポンプ、圧縮機、熱交換器、配管、炉 | 運転の継続、計画停止、洗浄、補修 | 連続運転、危険物、腐食、定期修理、プロセスの安全 |
| 物流・倉庫 | コンベヤ、ソータ、搬送ロボット、クレーン、冷凍設備 | 点検、充電・交換、運転の制限、経路の切り替え | 物量の波、納期、迂回、夜間作業、複数台のやりくり |
| 輸送・モビリティ | トラック、バス、鉄道車両、船舶、構内車両 | 入庫、運行の継続、部品交換、配車の変更 | 走行距離、運行計画、拠点の分散、資格と定期点検 |
| 建設・鉱山 | 油圧ショベル、ダンプ、クレーン、舗装・掘削機械 | 現場での修理、回送、稼働の制限、交換 | 遠隔地、粉じんと振動、機種の違い、工期、部品の入荷待ち |
| エネルギー・ユーティリティ | 発電、受変電、ボイラ、空調、用水、排水設備 | 予備系への切り替え、停止、点検、更新 | 供給を止められないこと、予備系の持ち方、需給、社会的な重要性 |
| 社会インフラ | 道路、橋梁、トンネル、上下水道、通信設備 | 巡回、補修、通行・使用の制限、更新 | 長い寿命、定められた点検、公共の安全、広い地理、予算の年度 |
| 施設・建物 | 昇降機、空調、防災、電源、入退室設備 | 点検、修繕、運転の制限、更新 | 利用者への影響、定期的な検査、テナントとの調整、快適性 |
※ 表は代表例です。ここに無い領域でも、上の4つがそろうかどうかで個別に確認します。逆に、同じ業界でも設備によって対象になるものとならないものがあります。
導入の進め方対象設備を絞って、確かめてから広げる。
- 現状を見る 対象設備、計画外停止の実績、すでに取れているデータ、いまどう決めているかを一緒に確認します。 → どの設備の、どの故障モードから着手すべきかが決まります。
- 見えるようにする 対象設備のデータを整え、センサーごとの状態を時系列で見られるようにします。 → 判断材料が揃っているか、足りないものは何かが分かります。
- 並走して確かめる 現行の保全を続けたまま、予兆の判定を並走させます。 → 自社の設備で、手を打つべきときに知らせが出るか、誤報が多すぎないかが分かります。ここまでは運用を変えません。
- 推奨を使いはじめる 確認できた範囲から、推奨カードを実務で使います。意思決定は人が承認します。
- 広げる 確認できた設備から対象を広げ、記録を保全業務の中に組み込みます。
※ 3 があることが、他とはっきり違う点です。運用を変える前に、自社のデータで確かめられます。
設備予兆保全ソリューションは、故障を当てるためのAIツールではありません。
現場に眠る経験・知識・データを「意思決定資産」として蓄積し、企業の“意思決定能力そのもの”を進化させる ── ファーストループテクノロジーが提供しているのは、そのための産業意思決定進化基盤 DAVIE です。
DAVIE は「観測する → 予測する → 判断する → 実行・統合する → 学習する」の五段階で、現場の意思決定を支えます。本ソリューションは、そのうち「設備が止まる」という意思決定を担う製品で、DAVIE Product Family の Solution Family に属し、DAVIE 四階層では Advance(業界・設備に固有の層)にあたります。
図の読み方
上段は、お客様が得られる価値です。生産性向上/品質向上/安全性向上/コスト削減/ノウハウ資産化/自律的な現場運営の6つ。DAVIE はこの6つのために作られています。
中央が、DAVIE のはたらきです。左から現場のデータ(IoT・センサー、設備・機器、作業・検査、人・スキル、図面・仕様・文書、外部データ)が入り、五段階を通って、右の現場での活用(ダッシュボード、アラート、作業支援、自動化・制御連携、知識・ノウハウ活用)に出ていきます。
| 段階 | はたらき |
|---|---|
| 観測する(Observe) | 現場データを収集し、状況を把握します |
| 予測する(Predict) | 将来の状態やリスクを予測し、見通しを立てます |
| 判断する(Decide) | 最適な意思決定を行います |
| 実行・統合する(Orchestrate) | アクションを実行し、システムを統合します |
| 学習する(Learn) | 結果から学習し、継続的に改善します |
この五段階は、一度で終わりません。実行・統合した結果は次の観測へ戻り、学習しながら循環します。
下段が、DAVIE の構造です。四つの階層に分かれています。
| 階層 | 役割 |
|---|---|
| Core(共通基盤) | 接続、知識の蓄積、AI推論、空間の認識。証跡・ダッシュボード・アラート・帳票まで |
| Advance(業界・設備に固有の層) | 解きたい意思決定の数だけ、課題解決単位を積み上げる(1課題解決単位=1意思決定) |
| Custom(顧客固有) | お客様に固有の層。標準に載らない業務を個別に作り込む |
| 顧客拡張(Customer Extension) | お客様自身が広げる層 |
このページの設備予兆保全ソリューションは、Advance に入ります。「設備を止めるか、動かし続けるか」という保全の意思決定を担い、解きたい意思決定の数だけ、課題解決単位を積み上げていきます。その下には、証拠を集める仕組み、データを束ねる土台、意思決定を支える仕組みが揃っています。単体のツールではなく、基盤の上に載った一つのソリューションである、というのがこの図の意味です。
DAVIE Product Family
役割の異なる5つのファミリーが、一つの基盤として連携します。どこから始めても、全体につながります。
Evidence
現場で証拠・記録を収集・構造化。現場内で完結する構成が基本で、クラウドでの管理・共有は必要に応じて選べます。
Platform
データ統合・管理・セキュリティ。運用の基盤を提供。アンビエントインテリジェンス、セマンティックマップ。
Decision
最適な意思決定を実行・支援し、意思決定の流れと判断根拠を可視化。
Package
業界・業務に特化したテンプレート・モデル群を提供。
Solution
成熟度・課題に合わせた最適解(Basic/Advance/Custom)。
| 製品 | ファミリー | 四階層 |
|---|---|---|
| DAVIE Evidence Edge | Evidence Family | Core(共通基盤)に含まれます |
| 設備予兆保全ソリューション(このページ) | Solution Family | Advance(業界・設備に固有の層)にあたります |
※ 図のいちばん下にある「適用産業」は、DAVIE 全体として適用を進めてきた産業です。このページの「適用領域」で挙げた領域とは、見ているものが違います。「適用領域」は、予兆保全という考え方があてはまるかどうかを、業界名ではなく設備の条件で見たものです。
ここで下した保全の意思決定は、根拠と結果までまとめて Decision Package(意思決定資産) として蓄積されます。同じ設備の次の意思決定にも、別の拠点にも、再び使えます。
DAVIE 全体を見る → 現場の意思決定を、会社の資産に変える。 産業意思決定進化基盤 DAVIE の全体像(davie.jp)